日本の高配当株ランキングとして、予想配当利回り3.0%以上の5銘柄を、利回り・減配リスク・業種の3つの観点で比較します。
利回りは、2026年10月9日の終値と、各社の最新の決算短信に載っている会社予想の年間配当から計算しました(予想配当利回り=年間配当予想÷終値)。全銘柄で同じ取得日・同じ計算式を使っています。
本記事は「いまの利回り」で銘柄を並べたランキングです。「増配が続いた年数」で並べたい場合は連続増配株ランキングをご覧ください。2つの選び方の違いは高配当株と連続増配株の違いで整理しています。
- 高配当株(日本)の選定基準と「高配当の罠」の見分け方
- 2026年10月9日時点の予想配当利回りで並べた5銘柄のランキング
- 一覧比較表(予想配当利回りとその内訳・業種・減配リスク・特徴)
- 基準に届かなかった銘柄と、その数字
- 新NISAとの組み合わせ方・注意点
- 向いている投資スタイル/向いていないスタイル
2026年10月9日の終値と各社の会社予想で計算すると、予想配当利回り3.0%以上は5銘柄で、最も高いのは日本製鉄の3.8%でした。今期の年間配当予想が前期より増えているのはアサヒGHD・アステラス製薬・オリックス・NTTの4社で、日本製鉄は前期と同じ額の予想です。配当利回りは株価と配当予想によって日々変わるため、最新の決算情報を必ず確認したうえで、自分のリスク許容度に合わせてご判断ください。
各社の決算短信(東京証券取引所の適時開示)・2026年10月9日の終値
高配当株の選定基準 {#選定基準}
この記事では、次の基準を満たす銘柄を取り上げています。
- 予想配当利回りが3.0%以上(2026年10月9日の終値・各社の最新の決算短信の会社予想で計算)
- 対象は、2026年6月の初版で取り上げた9銘柄(新しい銘柄は加えていません)
- 並び順は予想配当利回りの高い順(小数第2位以下も含めた値で比較)
順位は利回りの高い順に並べたもので、推奨の順ではありません。 減配リスクや業種の違いは、判断材料として各銘柄の説明と比較表に載せています。
初版では基準を「3.5%以上」としていましたが、今回の取得日の数字で計算し直すと、3.5%以上は3銘柄にとどまりました。そこで、配当利回り3%以上を「高配当」とする一般的な目安の一つ(本記事のよくある質問でも触れています)に合わせ、基準を3.0%以上に改めています。
利回りが基準に届かない安定型の銘柄(例:三井不動産)は本記事では扱いません。
「配当利回りが高い=良い株」ではありません。業績が悪化して株価が下がり、見かけ上の配当利回りが高くなった「高配当の罠」の銘柄もあります。利回りの数字だけで判断せず、PER・PBR・ROEといった投資指標も合わせて確認するとよいとされます。
日本の高配当株ランキング2026年版(5銘柄) {#ランキング}
1位: 日本製鉄(5401)|予想配当利回り 3.8%
3.8%(2027年3月期の年間配当予想 24円 ÷ 2026年10月9日終値 629.4円)
電磁鋼板という高付加価値品で収益を確保しながら、株主還元を続けている鉄鋼大手です。2025年10月1日に1株を5株に分割しており、上の24円は分割後の基準の金額です(前期の年間配当も分割を考慮すると24円で、今期予想は前期と同額)。ただし前々期(2025年3月期)の年間配当は160円(分割換算で32円)で、前期(2026年3月期)に24円へ減配しています。鉄鋼価格サイクルへの依存が強く、資源価格の変動による業績のブレが比較的大きい点はリスクとして認識しておく必要があります。インド事業拡大という成長要素を持つ点も注目されています。事業構造とUSスチール統合の位置づけは日本製鉄(5401)の企業分析で詳しく解説しています。
減配リスク:高 | 業種:鉄鋼
情報源:日本製鉄「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年8月4日発表)・「2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年5月13日発表)
2位: アサヒグループHD(2502)|予想配当利回り 3.6%
3.6%(2026年12月期の年間配当予想 57円 ÷ 2026年10月9日終値 1,580円)
生活必需品(ビール)という景気変動を受けにくいビジネスモデルを持ちます。欧州プレミアムブランドの展開が中長期の成長を支えており、ディフェンシブ高配当株として位置づけられることが多い銘柄です。年間配当は前期の52円に対し、今期予想は57円です。
減配リスク:低 | 業種:食品・飲料
情報源:アサヒグループホールディングス「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年8月14日発表)
3位: アステラス製薬(4503)|予想配当利回り 3.6%
3.6%(2027年3月期の年間配当予想 80円 ÷ 2026年10月9日終値 2,247.5円)
製薬大手として一定の配当実績があります。XTANDI(前立腺がん治療薬)の世界的な販売が収益を支えているとされます。年間配当は前期の78円に対し、今期予想は80円です。製薬業特有のパテントクリフ(特許切れによる収益減)リスクには注意が必要です。
減配リスク:中 | 業種:製薬
情報源:アステラス製薬「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年8月5日発表)
※2位のアサヒGHD(3.608%)と3位のアステラス製薬(3.560%)は、小数第1位ではどちらも3.6%です。
4位: オリックス(8591)|予想配当利回り 3.2%
3.2%(2027年3月期の年間配当予想 187.36円 ÷ 2026年10月9日終値 5,770円)
不動産・空港・金融・エネルギーと多角化した収益が特徴です。年間配当は前期の156.10円に対し、今期予想は187.36円です。同社は2026年8月6日の取締役会で、2027年3月期の配当を「キオクシア株式に関わる損益を除いた調整後EPSの39%、または1株当たり156.10円のいずれか高い方」とする方針へ変更しました。1株当たりの配当額は自社株買いで変動しうる、と短信に注記されています。また短信では、第2四半期末の配当予想107.27円は第2四半期(累計)の調整後当期純利益が3,000億円である場合の金額とされ、通期の調整後当期純利益は公表されていません。年間187.36円はこの前提を含む予想で、今後変わる可能性があります。
減配リスク:低 | 業種:金融・多角化
情報源:オリックス「2027年3月期 第1四半期決算短信〔米国基準〕(連結)」(2026年8月6日発表)
5位: NTT(9432)|予想配当利回り 3.1%
3.1%(2026年度の年間配当予想 5.40円 ÷ 2026年10月9日終値 172.9円)
日本最大の通信インフラ企業で、景気変動を受けにくいストック型収益(通信料)が基盤となっています。25分割後は少額から購入しやすくなりました。年間配当は前年度の5.30円に対し、今年度予想は5.40円です。
減配リスク:非常に低 | 業種:通信
情報源:NTT「2026年度 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年8月6日発表)
基準に届かなかった銘柄
初版で取り上げた9銘柄のうち、次の4銘柄は同じ取得日・同じ計算式で基準(3.0%以上)に届かなかったため、ランキングから外しました。
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306):2.8%(2027年3月期の年間配当予想 96円 ÷ 終値 3,462円)
- コマツ(6301):2.6%(2027年3月期の年間配当予想 190円 ÷ 終値 7,298円)。建機ビジネスの稼ぎ方はコマツ(6301)の企業分析で解説しています。
- 大和証券グループ本社(8601):会社予想は「未定」です。短信には通期の配当の下限44円が示されており、仮に下限で計算すると2.5%です。
- 野村ホールディングス(8604):配当予想を開示していないため、予想配当利回りを計算できません。
情報源:三菱UFJフィナンシャル・グループ(2026年8月3日発表)・コマツ(2026年7月29日発表)・大和証券グループ本社(2026年8月3日発表)・野村ホールディングス(2026年7月29日発表)の各「2027年3月期 第1四半期決算短信」
5銘柄まとめ比較表 {#比較表}
| 順位 | 銘柄 | 証券コード | 予想配当利回り | 年間配当予想 ÷ 終値 | 業種 | 減配リスク | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 日本製鉄 | 5401 | 3.8% | 24円 ÷ 629.4円 | 鉄鋼 | 高 | 高付加価値品・インド事業 |
| 2 | アサヒGHD | 2502 | 3.6% | 57円 ÷ 1,580円 | 食品飲料 | 低 | ディフェンシブ・欧州展開 |
| 3 | アステラス | 4503 | 3.6% | 80円 ÷ 2,247.5円 | 製薬 | 中 | 主力製品・パテントリスクあり |
| 4 | オリックス | 8591 | 3.2% | 187.36円 ÷ 5,770円 | 金融多角 | 低 | 多角化・配当方針を8月に変更 |
| 5 | NTT | 9432 | 3.1% | 5.40円 ÷ 172.9円 | 通信 | 非常に低 | ストック収益 |
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注意予想配当利回りは2026年10月9日の終値と、各社の最新の決算短信の会社予想で計算した値です。株価・配当予想は変動します。減配リスクは業種の特性と配当方針から当サイトが付けた目安で、会社が公表している数字ではありません。最新の情報は各社のIR公式ページでご確認ください。
業種別・特性別の整理 {#業種別}
同じ「高配当株」でも、業種によってリスク特性が大きく異なります。ポートフォリオを組む際には業種分散を意識することが、リスク管理の観点から有効とされます。
ディフェンシブ型(景気変動に強い傾向)
景気後退局面でも需要が維持されやすい業種。配当の継続性が比較的高い傾向があるとされます。
- NTT(通信):景気問わず通信料が入るストック型
- アサヒグループHD(食品・飲料):生活必需品ゆえ需要安定
- アステラス製薬(製薬):景気より、主力薬の特許期間や新薬の開発に業績が左右されやすい
景気循環型(業況サイクルあり)
資源価格・建設投資など景気サイクルに業績が連動しやすいです。
- 日本製鉄:鉄鋼価格サイクル依存
多角化型
複数事業で収益分散しているため、景気変動に対して一定の耐性があるとされます。
- オリックス:不動産・空港・金融・エネルギーに分散
高配当株投資で気をつけること {#注意点}
「高配当の罠」に注意
業績悪化で株価が下がり、見かけ上の配当利回りが高くなった銘柄は「高配当の罠」と呼ばれます。業績の安定性と配当性向(利益のどれくらいを配当に回しているか)を必ず確認することが重要です。
配当性向が高すぎる銘柄は要注意
配当性向が100%を超えている場合、利益以上の配当を出していることになり、持続性がありません。配当性向は各社の決算資料や IR 情報で確認できます。計算式や、一時的な損失で100%を超える場合の見分け方は配当性向とは?計算式と目安、高すぎる株の見分け方で解説しています。
分散投資の重要性
高配当株1銘柄に集中投資するのではなく、異なる業種・特性の複数銘柄に分散することがリスク管理の観点から有効とされます。
新NISAでの活用方法 {#新NISA}
新NISAの「成長投資枠」(年間240万円)では上記銘柄の多くを購入でき、配当金も非課税扱いとなるため、長期のインカム投資と相性が良いとされます。
| 新NISAの特性 | 高配当株との相性 |
|---|---|
| 配当金が非課税 | 毎年の受け取り配当が丸ごと手元に残る |
| 長期保有が前提 | 配当の積み上げ効果が出やすい |
| 成長投資枠(年240万円) | 大半の高配当株銘柄が対象 |
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ただし、新NISAは「元本保証」ではありません。株価下落時の評価損は発生します。また、非課税期間が永続するようになった一方、損益通算ができない点には注意が必要です。
個別株よりETFを選ぶ方法もあります。「高配当株ETF」(例:国内高配当ETF等)を活用すると、銘柄選択の手間なく分散投資が可能です。新NISAでETF購入も成長投資枠で対応できます。
どういう人に向いている?/向いていない? {#向き不向き}
向いている人
- 毎月・毎年の「インカム収入」を得たい方
- 株価の短期変動より安定した配当受け取りを優先したい方
- 長期保有を前提に、新NISAで配当非課税の恩恵を得たい方
- ディフェンシブ株で守りながら市場に参加したい方
向いていない人
- 短期売買・キャピタルゲイン(値上がり益)を主目的とする方
- 高リターンを求めて成長株に集中投資したい方
- 株価の変動に対して高い心理的ストレスを感じる方(高配当株も値動きはあります)
- 配当金を再投資せず生活費として全額使う予定で、資産増加を期待している方
「向いていない」はあくまで投資スタイルの相性の話であり、「やめなさい」という推奨ではありません。自分のゴール・リスク許容度と照らし合わせてご判断ください。
よくある質問 {#FAQ}
Q. 高配当株は新NISAで買えますか? A. 記事で挙げた銘柄は東証プライム上場で、新NISAの成長投資枠(年間240万円)で購入できます。国内株の配当金も非課税になるため、高配当株は新NISAと相性が良い投資スタイルとされます。
Q. 高配当株ETFと個別株はどちらが良いですか? A. 個別株は銘柄選択の自由度がある一方、特定銘柄への集中投資リスクがあります。高配当株ETFは分散が自動的にできる利点があります。初心者はETFから始める方がリスク管理しやすいという見方が一般的です。
Q. 配当金はいつもらえますか? A. 銘柄によって支払い時期が異なります。3月決算・9月末が権利確定の銘柄は、6月頃と12月頃に配当が振り込まれることが多いです。複数銘柄を持つことで、年間を通じて配当の受取時期を分散できます。投資は自己責任でご判断ください。
Q. 高配当株の配当利回りの目安はどのくらいですか? A. 一般的に配当利回り3%以上が「高配当」の目安とされます。ただし利回りが高いほど良いわけではなく、株価下落によって見かけ上の利回りが高くなる『高配当の罠』もあるため、業績の安定性と合わせて確認することが重要です。
Q. 高配当株は景気後退時にも安定していますか? A. 通信・生活必需品など景気変動を受けにくいディフェンシブ業種の高配当株は、景気後退時でも比較的安定した配当を出す傾向があるとされます。一方、鉄鋼・証券・商品市況に依存する業種は景気サイクルの影響を受けやすく、減配リスクが高まる場面があります。投資の判断は各自でお願いします。
まとめ {#まとめ}
日本の高配当株ランキング(2026年版)として、2026年10月9日の終値と各社の会社予想で計算した予想配当利回りが3.0%以上の5銘柄を、利回り・業種・減配リスクの3つの観点で整理しました。
利回りの順では日本製鉄(3.8%)・アサヒGHD(3.6%)・アステラス製薬(3.6%)・オリックス(3.2%)・NTT(3.1%)の順です。今期の年間配当予想が前期より増えているのは日本製鉄を除く4社でした。一方、景気循環型の日本製鉄は利回りが最も高い反面、業績の変動による減配リスクがある点を考慮する必要があります。証券2社(大和・野村)は配当予想が未定・非開示のため、予想配当利回りでは比べられません。
上位銘柄をさらに深掘りしたい方は高配当日本株4選の比較、不況に強い守りの観点で選びたい方はディフェンシブ株の選び方、新NISAの枠で高配当を活かす考え方は新NISAと高配当株の組み合わせをあわせてご覧ください。「配当でもらうか・成長で増やすか」というスタイルの違いは成長株と高配当株の違いで整理しています。海外売上比率の高さで為替と規制の両方を受ける高配当銘柄の例としては、JT(日本たばこ産業)の収益構造と配当の実力もあわせてご覧ください。
情報源・参考資料 {#情報源}
本記事の作成にあたり、以下の情報源を参照しました。
- 日本製鉄「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年8月4日発表)
- 日本製鉄「2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年5月13日発表)
- アサヒグループホールディングス「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年8月14日発表)
- アステラス製薬「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年8月5日発表)
- オリックス「2027年3月期 第1四半期決算短信〔米国基準〕(連結)」(2026年8月6日発表)
- NTT「2026年度 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年8月6日発表)
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年8月3日発表)
- コマツ「2027年3月期 第1四半期決算短信〔米国基準〕(連結)」(2026年7月29日発表)
- 大和証券グループ本社「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年8月3日発表)
- 野村ホールディングス「2027年3月期 第1四半期決算短信〔米国基準〕(連結)」(2026年7月29日発表)
- 株価:東京証券取引所の2026年10月9日終値(株探の時系列株価で確認・2026年10月10日取得)
決算短信のリンク先は、東京証券取引所の適時開示(TDnet)で公表されたPDFを株探が掲載しているものです。
最終更新日:2026-10-10
免責事項 {#免責}
※本記事は「企業分析」を目的とした内容であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。 ※投資は自己責任でお願いします。投資判断に迷う際は、ファイナンシャルプランナーや証券会社等の専門家にご相談ください。 ※掲載情報は作成時点のものであり、最新情報は各社の公式IR情報をご確認ください。 ※配当利回り・配当金額は将来にわたって保証されるものではなく、業績・市場環境によって変動します。
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